高松山初寅祭

高松山初寅祭

日本の北東にあたる東北地方を守る神様として信仰されてきた「毘沙門天王」。高松山初寅祭は、100年以上前にそのご利益に授かりたいという思いから霊力が一番高まる旧正月の初めての寅の日、寅の刻(午前3時~5時)に献膳をお供えし、諸願成就を祈願したのがはじまりです。

高松山初寅祭のはじまりと由来

高松山観音寺の初寅祭は、一人の篤信な女性が北方(東北地方)の守り神とされる毘沙門天王を信仰し、明治35年(寅年)の旧正月 (寅の月)の初めての寅の日・寅の刻に、瑠璃堂に安置されている毘沙門天王に対して、ご加護いただいている事への感謝のお膳を献じ、豊作を祈願したことがはじまりとされています。


↑初寅祭開催の由来が記されている額

↑お供えされている献膳

初寅祭の起源

毘沙門天王の総本山とされる信貴山・朝護孫子寺の縁起によると以下のようにされています。

今から1400余年前、聖徳太子は、物部守屋を討伐せんと河内稲村城へ向かう途中、この山に至りました。太子が戦勝の祈願をするや、天空遥かに毘沙門天王が出現され、必勝の秘法を授かりました。その日は奇しくも寅年・寅日・寅の刻でありました。太子はその御加護で勝利し、自ら天王の御尊像を刻み伽藍を創建、信ずべし貴ぶべき山『信貴山』と名付けました。以来、信貴山の毘沙門天王は寅に縁のある神として信仰されています。

この信仰を受け、高松山観音寺の初寅祭は毘沙門天王の霊験が一番強まると考えられる 旧正月(寅の月)、寅の日、寅の刻に開催されるようになりました。

出典:信貴山 真言宗 総本山 朝護孫子寺

毘沙門天王の起源とご利益

毘沙門天王は仏教を守る四天王の中でもっとも強い力を持っていることから、勝運の神様として信仰されてきました。もともとはインドで発祥したヒンドゥー教の神様で、金運と福徳の神様だったことから健康長寿・金運・商売繁盛の神様としても信仰されております。また、吉祥天という美しい妻(美・幸運・富の女神)と善膩師太子を代表とする五太子(子供)がいる事から、家庭円満(家内安全)、邪鬼から仏法を守っていることから厄難消除・疫病退散にもご利益があるとされています。

高松山観音寺の毘沙門天は弘法大師作と伝えられ、大同2年(807年)に当山を開山した徳一大師作と伝わる薬師如来の脇侍としてお祀りされ、多くの方から信仰され、日々ご利益を授けて下さっています。秘仏で普段はご覧になることは出来ません。ご開帳の日は12年に一度で、寅年の初寅祭の際となります。

↑毘沙門天王が祀られている瑠璃堂

初寅祭で祀られる梵天について


古来より高松山には神がいるとされ、神道と仏教が融合した神仏習合の霊山として庶民より信仰されてきました。明治の神仏分離令により神道(神社)と仏教(寺院)が区別されるようになりましたが、現在もその名残が色濃く残り、仏教の神様である毘沙門天王に梵天を奉納するようになり、奉納された梵天を持ち帰ると毘沙門天王のご利益に預かれるとされたのではないかと思われます。
開催当初は瑠璃堂に信者が集いお米・お酒・お餅・海菜・野菜・お菓子など地場産物を使用したお膳と梵天を奉納し護摩祈祷が行われていましたが、次第にこの梵天を持ち帰れば毘沙門天王のご利益に預かれるとされ、護摩祈祷終了後に冷水で身を清めた地元の青年達が担ぐ神輿から、参拝者に梵天が投げられ取り合いが行われるようになりました。

歴史からみる梵天の由来

日本人は古来より神々に対し当時の貴重な品々であるお米・お酒・鉄製品・鏡・布・紙などを捧げており、これらには神々の霊魂が宿るとされておりました。時代が進むにつれ、捧げ方も多様化し、当時の貴重品であった紙を細長く折り下げ木や竹にさして捧げるようになりました。
これが現代も神仏に捧げられている幣束(へいそく)で、この幣束を長い木や竹に沢山取付けたものが梵天(ぼんてん)と言われております。ぼんてんの語源は諸説ありますが、一説には、優れていることを表す古語「ほで」が、なまりにより「ぼんでん」と変化し、 後に仏教の守護神である梵天の字があてられたと言われております。

初寅祭での御祈祷について


初寅祭での御祈祷については、当山の毘沙門天王がお祀りされている瑠璃堂での護摩供と、境内に作り上げられた荘厳な大採燈護摩供との2ヵ所で同時に行われます。

護摩祈祷


護摩祈祷は炉の中で火を焚き、神仏(初寅祭の場合は毘沙門天王)をお招きし様々なお供物を捧げ供養する事でご加護を頂く特別な儀式です。ここで 毘沙門天王に梵天やお札にお宿り頂く事で1年間毘沙門天王のご利益を授かることができます。

大採燈護摩祈祷


大採燈護摩祈祷では、ご祈祷を行いながら一年間お守り頂いた梵天・お札・お守り・福升等のお焚き上げも行われます。採燈護摩祈祷中に東西南北中央の5ヵ所に災いを打ち破る矢が放たれます。この矢をとると災いといった「魔」を破って、幸福に一年を過ごすことができると言われております。
矢を取った方は受付にて破魔矢と交換いたします。また、願い事が書かれた護摩木をお焚き上げし、その祈りを神仏に届ける願いの護摩木も採燈護摩祈祷の際にお焚き上げします。

ご祈祷料について

御祈祷料 授与品
3,000円 木札(小)・お守り
6,000円 梵天(中)・木札(小)・福升・お守り
10,000円 梵天 (大)・木札(小)・福升・お守り

御祈祷料による比較

※お祀りするスペースの都合上、梵天をお札に変更することができます。その場合、梵天(中)と木札(小 に変わり 木札(中)を 、梵天(大)と木札(小)に変わり木札(大)を授けさせていただきます。ご祈祷お申込みの際にご報告下さい。ご報告がない場合は梵天を授けさせて頂きます。
※領収書が必要な場合はお申し付け下さい。

梵天とお札の祀り方

梵天やお札は神棚に置かれることをお勧めいたします。神棚にお祀りする場合は宮形の外に表面(字が書かれている面)を外側に向けて下さい。神社の御札等がお祀りされている場合はお札同士が重ならないようにお祀り下さい。
神棚がなければ、お仏壇にお祀り頂いても結構です。どちらにお祀りする場合も綺麗に掃除をしてからお供えしましょう。また、どちらもない場合は、ご自分の下に見下すことがないように、目線より高い場所に置いてください。梵天は、上にフックがついていますので、吊り下げてもよいでしょう。梵天にはお札(小)、福升、お守りが袋に入れられ括りつけられております。袋から取り出し上記の形式でお祀り下さい。

お札(中、大)にてご祈祷をお申込みされた場合
梵天ではなくお札(中、大)にてご祈祷をお申込みされた方には、大黒天の福升とお守りが授与されます。お札(小でのご祈祷をお申込みされた方にもお守りが授与されます。お守りは毘沙門天王 のご利益を授かるために、かばんや財布 などに入れて常に身につけるようにしてください。お守りには神様が宿っています。財布に入れた場合、お尻のポケットには入れないでください。

梵天を置く場所がない場合
また、梵天を置く場所がないという方には、梵天をお札(中、大)にすることが 可能です。お札を授かった場合も梵天と同じようにお祀りください。柱や壁等に両面テープで貼り付けても構いません。その際は表面(字が書いてある面)が南か東を向くようにお祀り下さい。釘や画鋲等は使用しないでください。どちらをお祀りする場合もトイレなどの不浄な場所、引き出しの中、人の出入りがある玄関などは避けましょう。

梵天・お札・お守り・福升には、毘沙門天王のご分霊や力が宿っています。日々お守り頂いていることに感謝をし、毎日手を合わせるようにしましょう。

梵天の保管と処分の仕方

当山で授かった梵天、お札、お守り、福升は次の初寅祭までご利益が御座います。大切にお祀りいただき、次回の初寅祭にお持ちください。大採燈護摩祈祷にてお焚き上げ致します。当山の初寅祭で授けさせて頂いた梵天やお札のお焚き上げは無料です。
*初寅祭1か月程度前から「梵天」お焚き上げの受付けをいたします。観音寺にお持ち頂くか郵送でお送り下さい。

初寅祭スケジュールと流れ

開会式

本堂において、高松山初寅祭奉賛会会長より、会開宣言が行われます。続いて観音寺住職の挨拶、本宮市長を始め、地域の各団体の代表者様など来賓の皆様よりご挨拶を頂きます。

梵天清め式


奉納された梵天やお札を10数名の僧侶により、読経をしながら洒水(しゃすい)を行い清め上げます。酒水は、不浄を取り除き清浄にする力があると言われています。梵天清め式が終了したら、本堂より梵天をお受け取り頂き、毘沙門天王がお祀りされている瑠璃堂まで移動する行列に参加してください。

御詠歌舞踊奉納


当山御詠歌舞踊会の皆様により、天台宗叡山流の御詠歌と舞踊の奉納を行います。御詠歌とは仏教の教えを歌にしたもので、歌に振り付けをしたものが御詠歌舞踊です。東日本大会で優勝するなどの実績を誇っています。叡山流御詠歌舞踊の総本部講師、観音寺寺庭婦人・矢島八重子先生が毎週指導を行っています。

高松山権現太鼓奉納


女性だけで構成された当寺の太鼓会による太鼓の演奏が奉納されます。観音寺の縁起に『天正13年(1586年)に伊達正宗の兵火にあい全山が焼け、梵鐘も阿武隈川の深淵に沈められた。この淵が「鐘が淵」と名付けられ、この梵鐘の霊が高松山を慕うあまり、龍が山上に登り暗夜も白昼の如く明るく光り輝くことがあった 』という伝承がありこの出来事を表現した「天龍」「龍神」などの演奏が奉納されます。

神輿担ぎお清め式


青年裸神輿出陣式として、神輿を担ぐ者の煩悩や穢れを清める儀式です。本堂前にて、僧侶より読経を受けながら、極寒の中裸にさらし姿で、冷水をかけ心身ともに清める行水が行われます。

青年裸神輿、招福梵天取


青年裸神輿は、高松山観音寺仏教青年会の会員と地元の青年が参拝者の災厄や穢れを清め、福が訪れる事を祈願して数十年前から担がれるようになりました。奉納された梵天の一部を持ち帰れば毘沙門天王のご利益を受ける事が出来ると信じられ、参拝者から奉納された梵天を持ち帰りたいという声があがったことから、神輿から奉納された梵天が投げられるようになった。梵天を取ったものには一年の福が訪れると言い伝えられ、『健康長寿・家内安全・商売繁盛など』を願う参拝者による取り合いが行われます。

福銭まき


例年では祭りのクライマックスに、僧侶、神輿を担いだ青年、地域の年男の皆様により、福銭まきやお子様対象の子ども福銭まきを行ってきました。福銭(景品が当たる抽選くじがついた5円玉)やミカン、お菓子などが投げられます。抽選で豪華景品を獲得する事ができます。

所願成就のご祈祷を受付しています。

勝運(受験合格等)、健康長寿、金運、商売繁盛、家内安全、厄難消除、疫病退散などの様々なお願い事をお祈りするご祈祷を受け付けております。祈祷をお申込みされた方に加持祈祷した「梵天(ぼんてん)」をお授けしております。※御札でお申込みされる方は祈願事をご報告下さい。梵天(ぼんてん)神さまがお降りになられる対象物(幣束〈へいそく〉)を高い竹につけて、神様に目印としてわかるように示したものが梵天です。梵天をご自宅にお祀りすることで、場所が清められ、毘沙門天王(東北の守り神)のご利益を得る事ができるといわれております。


アクセス
【車】東北道・本宮ICより10分
【電車】東北本線・本宮駅よりタクシーで10分
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